F1は、フォーミュラ1の略であり、世界中で最も人気のあるモータースポーツとされています。2018年は全21戦を世界各地で開催予定であり、日本では10月7日に鈴鹿サーキットで開催予定です。近年F1人気にも陰りが出てきたと言われている一方で、着実にF1人気を獲得している国があります。それは中国です。中国は2004年に初めて上海でグランプリを開催し、その後2018年まで開催を継続しています。トルコや韓国、インドなどのように鳴り物入りで開催を決定した国もありましたが、費用の増加と入場者数が伴わないために途中で開催を断念した国はたくさんあります。中国に関しては、2017年に開催契約が2020年まで延長されており、着実に人気を獲得しており、商業的にも成功していると言えます。
過去のF1中国グランプリやその特徴について
中国では、2004年に上海で初のグランプリを開催、2009年以降は例年4月中旬頃に開催されています。中国グランプリにおける最多優勝者は、メルセデスのルイス・ハミルトンの5回で、2018年はダニエル・リカルドが優勝しました。現在もレースが行われている上海インターナショナルサーキットは、2004年の初開催に合わせて新たに建設されました。全長5.451kmのコースを56周し、レース長は305.066kmとなります。このサーキットの建設には実におよそ2億4000万ドルもの費用が投じられました。開催当初はサーキットが上海北部のはずれにあったこともあり、集客が振るいませんでしたが、昨年2017年は14万5,000人が来場し、年々着実にその数を伸ばしています。また、サーキットを中心に建物が建設されたり、地下鉄など公共交通機関が整備されるなど、街全体がF1と共に急速に発展しているようです。
中国でF1はなぜ人気なのか、その理由とは
開催当初は、テレビの地方局でダイジェストが放送される程度で、多くの人の関心を引くまでは至りませんでした。その後、インターネットテレビの普及により、視聴環境が整ってきたこともあり、F1に対する関心が高まってきたのではないでしょうか。2018年3月には、中国中央電視台との間で、開幕戦からシーズン全ての予選および決勝レースを放映する契約が締結されたことが発表され、ますます、F1に触れる機会が得られる環境が整いました。また、F1を軸にした街全体の発展により、地下鉄の反対側にディズニーパークがオープンするなど、エンターテインメントの中心にF1がある状況ができています。F1は中国に現地オフィスを設立する計画もあるようです。世界一の人口を誇る中国は、F1にとっても大変魅力的な市場であると捉えられており、そういった施策がさらなる人気の高まりを助けているのではないかと思います。